報道関係各位
2021年9月16日
株式会社Synspective
小型SAR衛星3号機「StriX-1」のSoyuz-2ロケットによる打ち上げに関して
Exolaunch社と契約を締結
~2号機を2021年中、3号機を2022年中旬に打ち上げ予定~
衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行う株式会社Synspective(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、ドイツのExolaunch社と、実証衛星2号機「StriX-β」に続き、商用試作衛星「StriX-1」の打上げの契約を締結したことをお知らせします。「StriX-1」は、Exolaunch社のSoyuz-2ロケットにより、ロシアのボストチヌイ宇宙基地にて、2022年中旬に打ち上げられる予定です。
「StriX-1」は、2機の実証衛星に続く3号機であり商用試作衛星として、軌道上での実証を目標としています。
Sysnpecrtiveの小型SAR衛星 イメージ画像
株式会社 Synspective 代表取締役CEO 新井元行のコメント
「弊社の小型SAR衛星「StriX-β」に続き、3号機「StriX-1」の打ち上げもExolaunchに託せることを嬉しく思っています。Covid19の難しい状況において、Exolaunchの丁寧かつ柔軟な対応は弊社に安心感を与えてくれました。商用試作機である「StriX-1」は、すでにリリース済みのインフラ開発・災害リスク対応のソリューションと併せて今後の事業拡大の基礎となるものです。このミッションを成功させ、世界の効率性とレジリエンスを高めることを目指して、着実に成果を重ねて参ります。」
Jeanne Medvedeva, VP of Launch Services at Exolaunchのコメント
“We admire seeing a rapid growth of Synspective’s SAR satellite constellation and are privileged to strengthen our cooperation by arranging the launch for one more satellite, StriX-1. Both StriX-beta and StriX-1 are on track to launch into the Synspective’s custom orbit via Exolaunch’s services to ensure the outstanding performance of the Synspective’s constellation on orbit.”
ロシアのボストチヌイ宇宙基地 @Roscosmos
■Exolaunch社について
Exolaunch社は、小型衛星向けのライドシェア型打上げ・展開ソリューションを提供しています。世界中のロケットメーカーと協力して、100機近くの小型衛星を軌道に乗せることに成功しています。Exolaunchは、ニュースペースのリーダー、世界の革新的なスタートアップ、研究機関、政府機関、宇宙機関のビジョンを実現します。
URL: www.exolaunch.com
■株式会社Synspectiveについて
Synspective (シンスペクティブ)は、データに基づき、着実に進歩する世界の実現を目指し、衛星による観測データを活用したワンストップソリューション事業を行う会社です。内閣府「ImPACT」プログラムの成果を応用した独自の小型SAR衛星により高頻度な観測を可能にする衛星群を構築し、その衛星から得られるデータの販売、および、それらを利用した政府・企業向けのソリューションを提供します。
設立:2018年2月
所在地:東京都江東区三好3-10-3
代表者:代表取締役CEO 新井元行
【本件に関するお問合せ先】
株式会社Synspective PR担当 熊崎 080-7496-8006 ・ 藤川080-9664-3126
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■Synspectiveの衛星開発について
Synspectiveの小型SAR衛星初号機「Strix-α」は2020年12月15日にニュージーランドの マヒア半島にある発射場からRocket Lab社のElectronロケットにより打ち上げられ、予定通りの軌道(太陽同期軌道、高度500km)へ投入されました。その後、順調に運用を開始し、2021年2月8日に初画像の取得に成功しました。2号機「StriX-β」は、Exolaunch社のSoyuz-2ロケットにより、ロシアのボストチヌイ宇宙基地にて、年内に打ち上げられる予定です。
今後2023年までに6機、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)構築を目指します。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発生しても、2時間以内に観測することが可能になります(6機では24時間以内)。また、観測したデータを自動解析し、災害時の早期状況把握を実現するソリューションも開発しており、コンステレーションの実現と併せ、世界の災害対応能力の飛躍的な向上を目指します。
– SAR衛星について
SAR(合成開口レーダー)衛星は、マイクロ波を使って地形や構造物の形を観測します。マイクロ波は波長が長く、雲を透過するため、雲の下にある地表も観測することができます。また自らアクティブに電波を放射するため、日中・夜間によらず観測が可能です。
特にアジアでは、雨季が長く雲に覆われることが多いため、光学センサーでは観測が困難な場合があり、雲の中や夜間に観測ができるSAR衛星の需要が高まりつつあります。
■Synspectiveの衛星データソリューション開発について
衛星データを活用し、お客様の課題を解決する様々なソリューションサービスをSaaSとして提供しています。また、SAR衛星データと、他の様々なデータ(IoTデータ、PoSデータ、GPS、熱センサなど)を組み合わせることで、課題解決のために役立つデータの提供や提案が可能です。
<ソリューションラインアップ>
「Land Displacement Monitoring」
衛星データを用いて広域の地盤変動を解析し、その結果を提供するソリューションサービスです。広域にわたる土地の沈降や地すべりのリスクを把握するには、多くの時間と人手がかかってしまうという課題がありました。このサービスを活用することで、このような地盤変動リスクに関わる従来の観察または管理手法にかかるコストと時間を削減でき、建設・工事プロジェクトをはじめ、空港メンテナンスプロジェクト、地下工事などにおけるリスク管理に利用できます。また、災害時に人が入っていくのが難しい地域、あるいは昨今のコロナウィルスによる移動制約がある中でも、遠隔地・現場調査への活用が期待できます。
*デモイメージ画像
「Flood Damage Assessment」
災害対応のための浸水被害(浸水域、浸水深、被害道路、被害建物)を評価するサービスです。災害が発生した際は、広範な被害状況の一次情報に基づいて迅速に対応する必要があります。SAR衛星は、従来の光学衛星や飛行機・ドローンでの観察方式と違い、全天候型の地上観測が可能です。そのため、発災時の天候や時間帯に関わらず、より広範な地域の浸水被害の有無を迅速に把握することができます。さらに、AI技術など最先端分析手法を活用することで、より迅速に道路・建物などの施設への影響範囲を特定することも可能です。
Flood Damage Assessment(FDA)による六角川の氾濫の解析図